バドミントンの桃田選手の強さとは?高校時代の試合と2020年12月の全日本選手権を分析して分かった強さとは?
クロシロです。
今回は、高校のバドミントン部のコーチをやってるクロシロが
試合の戦術の解説をしていこうと思います。
最初は桃田選手の強さを知るために
全日本選手権と世界ジュニアの試合を比較しながら分析したいと思います。
桃田選手の試合ってどんな感じ?
桃田選手は、富岡高校時代の試合展開と
今の試合展開はまるで違うように思います。
他のシングルスの選手は攻撃がすさまじい選手もいれば
とにかく拾いまくって
チャンスをうかがう選手もいますが、
今の桃田選手にはどちらも備わっています。
どういうことなのか、とある桃田選手の試合の得点源を見てみましょう。
桃田選手の試合展開 世界ジュニア編
まずは、
桃田選手が世界ジュニアに出場した時の
とある試合の得点源を見てみましょう。
これは1ゲーム目の決まった箇所をまとめてみました。
スコアは21対17で桃田選手がとってます。
奥は桃田選手で手前は相手選手です。
ここで分かるのは、桃田選手の得点源はスマッシュが21得点中8本であることです。
ほとんどのスマッシュが相手の体勢が崩れたところを
すかさず決めてる印象があります。
よく見ると、スマッシュ打つフォームでコースを絞ることが難しいほど
フォームがきれいなため、相手が対応できなかったように思えます。
他に印象的なのは、相手選手のミスを誘ってるとこです。
相手選手のショットがアウトで得点を得たのが21得点中7点もあります。
ここで分かることは相手選手は桃田選手をとにかく奥まで動かしたい、
ジャッジするのを迷わせるほどのコースに打ちたいという印象があります。
相手選手の得点源もスマッシュを起点とした攻めのラリーであったので
最初は桃田選手も対応できなくてノータッチで5本決められ
ネットに引っ掛けるミスが5本と目立ってました。
高校時代の桃田選手はややスロースターター気味であるのかなと思えます。
得点だけ見ると相手選手もかなり健闘してるように見えますが、
ラリーの上では桃田選手が圧倒的に勝ってるので、
2ゲーム目では桃田選手がいかにミスを減らすかがカギですね。
というわけで2ゲーム目はこうなりました。
得点は21対8で桃田選手の勝利でした。
コートチェンジしたため、先ほどの逆となります。
やはり桃田選手の
相手の体勢を崩してからスマッシュで決めるショットが多いのは勿論、
相手選手のショットのアウトが7本、ネットに引っ掛けるミスが4本と
的確なコースに打つコントロールが際立ち、
相手選手は良い体勢でショットを打たせてもらえなかったように見えました。
桃田選手のミスが1セット目と比べるとかなり減り、
相手選手は中々決まらなくて精神的につらかっただろうと思います。
高校時代の桃田選手は持ち前のテクニックで相手を翻弄し、
相手の体勢が崩れたら一気にギアを上げてスマッシュで決めるスタイルと、
ラリーを多くして相手のミスを誘うラリーが多いように思いました。
高校生らしいラリーとは言えませんが
すでにハイレベルなラリーが出来てたのは事実です。
では、今度は2020年12月に行われた全日本選手権の試合を分析してみましょう。
桃田選手の試合展開 2020年全日本選手権編
これは桃田選手と常山選手の決勝戦の試合です。
1ゲーム目は21対18で常山選手がとりました。
手前が桃田選手のコートに落ちたショットで
常山選手が打ったショットの本数になります。
奥が常山選手のコートに落ちたショットで
桃田選手が打ったショットの本数になります。
1ゲーム目の前半は常山選手のスマッシュがかなり良く、
桃田選手を動かして戻る前にはすでに決まってる印象がありました。
しかし、アウトになるショットも11本とかなり多かったです。
2セット目で同じラリーしたら対応されるので
もっとネット前を使うラリーをしても良かったのかなと思いました。
一方の桃田選手は、コントロールが定まってなかったのか
思った以上にショットが決まらず、
常山選手のアウトで得点するケースが多かったように思えます。
クリアーが浅くなったり低かったりもして
常山選手に良いようにスマッシュを打たれてたので
もっと速い展開に持って行ったほうが良いのかなと思いました。
高校時代の戦い方とは違い、
クリアーやドロップなどを上手く使ってコートを支配するような
ラリーをしてるのですが、
常山選手がそれらのショットを読んで先にシャトルの下に入り込んで
絶妙なスマッシュを決められたのかなと思ってます。
では2ゲーム目は1ゲーム目のように常山選手のラリーが上手くいくか、
桃田選手のラリーが上回るかどうなったか見て見ましょう。
2ゲーム目は21対12で桃田選手がとりました。
全体的に1ラリーが結構続いた印象があり、我慢比べになってたように思います。
先に仕掛けたほうが決まるのではなく
我慢できなかった方がとられるような試合展開だったなと思います。
先ほどの逆で、桃田選手はネット前のショットが決まったり常山選手のミスを誘ったりしてたので気持ちよくスマッシュは決まらなくても
ミスを誘うラリーで2ゲーム目は取れたのかなと思います。
一方の常山選手は桃田選手の速いラリーになったり
急にゆったりとしたラリーになったりと
中々上手くいかないところもあったのかなと思います。
常山選手は決め急いでる印象があるのでもっと桃田選手を動かして
厳しい体勢でレシーブした時に決めに行かないと厳しくなるのかなと思いました。
ファイナルセットまでいき、両者ともに疲れも出てくるころだと思います。
最後はどんな展開で終えたのか見てみましょう。
ファイナルゲームはどちらかが11点に到達した時点で
コートチェンジが発生するので11点までの状態で見て見ましょう。
11対10で常山選手がリードする展開になりました。
手前が常山選手が打ったショットで奥が桃田選手が打ったショットです。
ファイナルゲームの前半は常山選手が積極的に攻めて攻めまくってました。
桃田選手のレシーブの体勢が悪いわけでなく
常山選手のスマッシュ打つコースが読めないのが得点につながってると思います。
逆に桃田選手は攻め急がずスマッシュで決め急がず
常山選手を疲れさせるためにラリー戦にしてるように見えました。
常山選手は攻撃の手を緩めることなく
もっと攻めのバリエーションを増やしたほうが良いかなと思いつつ、
桃田選手はもっと攻めても良いのかなと思いました。
最後はどうなったか見てみましょう。
最終的なスコアは21対17で桃田選手が優勝しました。
この決勝戦は80分の激闘でした。
コートチェンジしたため手前が桃田選手の打ったショット、奥が常山選手になります。
後半にかけて常山選手も積極的に攻めてたのですが、
ラリー戦になった時に先に疲れが見え始めてスマッシュの本数が減ってしまいました。
逆に桃田選手は常山選手が疲れてると思ってから
後半にかけてスピードをまた上げて速い展開にもっていき、
常山選手を翻弄して最後を締めくくってました。
桃田選手の高校時代と今現在のプレーの違いとは?
高校時代の桃田選手はラリー戦にあまり向いておらず、
積極的に攻めていく展開が多い印象でしたが、
今の桃田選手はラリー戦も戦えるし、
ファイナルゲームまでいってもスピードが衰えません。
フィジカル面が強くなったことで
プレーの幅が広がって来たのではないかと思います。
桃田選手のプレースタイルを身につけるなら
- フォームでコースが読まれないようにすること
- フットワークの強化
- 体幹の強さ
が必要になってきます。
まとめ
- 高校時代は意外とラリー戦に行かなかった⁉
- 今の桃田選手はどんな選手にも柔軟に対応できる!
- 中々崩せないレシーブ力で相手を追い込んでる!
今回は試合を切り取って決まったコースなどを分析してみました。
今後は世界で行われてる大会が終わったら急いで分析して記事にしようと思うので
地上波では見れない試合を投稿するので今後ともよろしくお願いします。