三角形の合同証明の解き方、コツ、合同証明を用いた問題とは?
クロシロです。
ここでの問題は私が独自に作成した問題で引用などは行ってません。
類似問題があったら申し訳ございません。
今回は、
高校入試の最後の問題で問われる図形の合同証明の解くコツを紹介していきます。
合同とは?
合同というものをここで確認しないと解くことはできません。
図形が合同な関係にあると言われたらそれぞれの図形が全く同じ図形であり、
長さも角度も寸分の狂いなく同じ図形であることを言います。
これは、同じ図形で90度回転しても合同な関係は変わりないです。
合同証明を解く手順は?
いずれ、相似の証明の記事を投稿しますが、
ここでは合同な図形と判断できたとして説明します。
①合同の証明か相似の証明か?
図形の合同なのか相似なのかたまに分からなくなる人がいますが、
間違いなく合同の証明になるにはいくつかコツがあり、
辺の長さが等しいことを証明しろと言われたら
合同であることを証明するしかありません。
角度が等しいことを証明しろと言われたら相似の証明の可能性もあるため
証明したい図形が同じような形をしてるか
大きさが違うかで判断すれば大丈夫です。
②問題文から使える材料を探す
証明をするには最低でも3つ等しい辺、角度を探さないといけませんが、
見た目で等しいということは当然できません。
これとこれは等しい!→何で?
と問われたら納得できる理由が言えないと試験や入試では減点対象になります。
辺AB=辺DE・・・①とだけしか書いてないのは減点の対象になります。
採点者は当然数学のことを分かってる方がしてるものですが、
私が教える時には
数学のことが分からない人でも分かるような文を作れ!と教えてます。
例えば、四角形ABEDが正方形であるので
辺AB=辺DE・・・①
このようにこういう性質があるから等しいですよ!
と記載すれば大丈夫です。
③等しいものを3つ探したら合同条件に合うか判断
等しいものを3つただ探せばいいのではなく、
三角形の合同条件
1.3組の辺がそれぞれ等しい
2.2組の辺とそのはさむ角(間の角)がそれぞれ等しい
あくまで2つの辺と1つの角度さえ等しいといえばいいのではなく
上の図のように辺を挟んで出来た角度が等しいと言わないと
合同条件を使うことはできません!
3.1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
先ほどと同じで
辺に角度が2つついててそれらを等しいと言わないと合同条件は使えません!
この3つのどれに当てはまるか確認し、
当てはまったらそこで初めて合同な図形と書くことが出来ます。
問題によっては合同であることを証明しなさいだけならそれで終わりですが、
辺や角度が等しいことを証明しろと言われたら
合同を使って等しいと書けば問題ないです。
合同証明の例題
△ABCと△CDEはそれぞれ合同な正三角形であるとき、△CBF≡△CDHを証明せよ。
このような例題があったとしましょう。
まず、今回は合同であることを証明しなさいなので①の手順は割愛できます。
②の作業で分かってることは正三角形があることです。
正三角形は辺の長さが等しく、それぞれの角度が60°であることが分かってます。
それぞれの三角形で等しいと分かる部分はどこかと言うと、画像の通りです。
これで、あと一つ等しいものを探せば合同の証明が終わりますが、
候補として挙げられるのは、
辺CF=辺CHか∠BCF=∠DCHの2択です。
それ以外を等しいと言うと合同条件が使えなくなるためです。
この最後の1つを見つけられるか否かが分かれ目になると思います。
結論から言うと、∠BCF=∠DCHの方が等しいと書くべきです。
まず、∠ABC=∠DCE=60°なのは大丈夫ですか?これは正三角形の角度だからです。
ここから∠BCF=∠ACB-∠ACE=60°-∠ACBが出来上がります。
同様に、∠DCH=∠DCE-∠ACE=60°-∠ACEとも言えます。
今の作業は何かというと、同じ値から同じものを引いたものは値が同じでしょ?
つまり、3=4-1を2回やってる感覚です。
角度で等しいというには図形の性質は勿論、
このように計算して等しいというやり方もあるので
そこはしっかり抑えておくべき箇所です。
これで全てそろったので、証明文の模範解答を書いていきましょう。
(証明)
△CBFと△CDHにおいて
辺CB=辺CD(正三角形の性質より)・・・①
∠CBF=∠CDH=60°・・・②
∠BCF=∠ACB-∠ACE=60°-∠ACB・・・③
∠DCH=∠DCE-∠ACE=60°-∠ACE・・・④
③,④より
∠BCF=∠CDH・・・⑤
①②⑤より1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので△CBF≡△CDH
これはあくまで参考程度なのでこの通りに書かないと駄目ではないです。
合同証明する時のポイント
合同証明するときによくやるミスは、書く順番を間違えてしまうことです。
先ほどの例題で言うと、辺CB=辺DCと書いてしまったら減点されます。
これは対応する順番に書かないといけないからで、
その間違いを無くすのは実は簡単なのです。
今回で言うと△CBF≡△CDHを証明せよ。
この文の三角形はすでに対応してる順番通りに書かれてます。
これに限った話でなく、例えば、辺CF=辺CHであることを証明せよ
と書かれても途中まで対応してる順番で必ず書かれてます。
学校の試験だけでなく、
模試や入試などでも十分使えるテクニックなので是非参考にしてみてください。
合同な図形を用いて角度や面積を求めるには?
先ほどの問題に追加で∠BFC=a°とするとき、∠FCHを求めよ。
これだけしかないと流石に解くことは無理ですが、
この手の問題は図形が合同であることが十分に使えるのです。
まず△CBFだけみて他に分かる角度は∠FBC=60°であることです。
更に∠FCB=180°-60°-a°=(120-a)°と表すことが出来ます。
180°は三角形の内角の和から持ってきたものです。
では、∠FCHは先ほどの証明で60°-∠ACEと表してました。
ここで先ほどの値を代入すると、60°-(120-a)°=(a-60)°と求めることが出来ます。
角度だけでなく面積の問題もやってみましょう。
AF:FB=4:3であるとき、△HDCの面積は△ABCの何倍か求めよ。
とあったとしましょう。
まず、辺の比から△CAF:△CBF=4:3という面積比が出ます。
これは、三角形の面積の公式で底辺だけ長さが違い高さが等しいため、
辺の比がそのまま面積比になるのです。
更に△ABC:△FBC=7:3にもなります。
これを使って、△FBC=3△ABC/7(3分の7△ABC)と変えることが出来ます。
ここで先ほどの合同が使えます。合同とは図形が全く一緒であるので
当然、面積も同じでないとおかしいですよね?
つまり△FBC=△HDCなのでそのまま代入すれば、
△HDC=3△ABC/7(3分の7△ABC)と答えることが出来ます。
まとめ
- 三角形の合同条件にあてはまるように3つ等しいのを探す
- 角度の等しいは対頂角や錯角だけでなく計算して求めるものも
- 合同を用いれば他の角度や面積も求められる
今回は三角形の合同証明を用いた内容でしたがいかがでしたか?
学習塾でアルバイトしてるとどうやって教えたら良いか悩む内容だと思うので
参考にしていただけたらなと思います。
最後に確認問題を出題して終わりにします。
確認問題
①1辺が6㎝の正方形ADJHがあり、∠JFCは直角であるとする。
辺AH,辺BI,辺DJは平行な関係であるとき、辺CE=辺EFであることを証明せよ。
②HI=2㎝であるとき、四角形JFCDの面積を求めよ。